2008年4月24日(木)21:27

ドイツ連邦議会はリスボン条約批准を承認

ベルリン(AFP)

ドイツ連邦議会はEU改革リスボン条約の批准を承認した。記名投票では515名が批准に賛成し、必要な3分の2の多数を大きく上回った。反対は58名であった。デンマーク議会もリスボン条約批准を承認した。チェコの上院は、いくつかの項目について憲法裁判所の判断を仰ぐため批准を一時停止した。ポルトガルは水曜日の晩に批准手続きを完了している。ドイツではまだ5月23日の連邦参議院の承認が必要となる。

欧州は批准を経れば「これまでより強く自信に満ちたもの」になろう。私は条約が2009年1月に発効するものと確信している、とドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は語った。社会民主党(SPD)のクルト・ベック党首は欧州統合プロセスが「ひとまず完了した」と述べ、社会的欧州に向けて一層の努力を求めた。自由民主党(FDP)のギード・ヴェスターヴェレ党首は、EUの諸機構が「この条約により良好に機能する」だろうとの期待を表明した。緑の党のユルゲン・トリッティーン副議員団長は、「欧州は一層民主的になり、市民は一層の権利を獲得する」と語った。

「私たちはこの下院で条約の批准承認を拒む唯一のグループである」。EUは「社会ダンピングに手を貸して」いる。リスボン条約は加盟国を「絶えざる軍備拡張」へと駆り立てるものだ、と左派党のロータル・ビスキー党首は語った。左派党(53議席)以外にも数名の議員が反対票を投じた。

昨年秋にポルトガル議長国のもとで採択されたリスボン条約は、2005年にフランスとオランダの国民投票で否決されたEU憲法の代わりとなるものである。条約は欧州議会の権限拡大を定めている。またEUには2年半任期のEU大統領(EU議長)ならびに外交上級代表職が設けられる。

デンマーク議会は賛成90票、反対25票の圧倒的多数でリスボン条約の批准を可決した。これによりデンマークは9番目の条約批准国*となった。

チェコ議会は、リスボン条約が6項目でチェコの法律と合致しているかについて憲法裁判所の審査を求めるとしたミレク・トポラーネク首相率いる市民民主党(ODS)の提案を可決した。問題の箇所は、欧州理事会の決定プロセスならびに加盟国の権限を欧州連合に委譲する規定などである。

原題:Bundestag verabschiedet EU-Reformvertrag

*訳注:正式な批准完了時点の判断によるものと思われるが、AP通信は10番目の批准国と報じている。これまでに批准を終えているのは、ハンガリー(2007年12月17日)、スロヴェニア、マルタ(1月29日)、ルーマニア(2月4日)、フランス(2月7日、8日)、ブルガリア(3月21日)、ポーランド(4月1日、2日)、スロヴァキア(4月10日)、ポルトガル(4月23日)。またオーストリアも4月9日に下院で批准が承認されている。




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